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医療過誤訴訟の特徴

医療過誤

医療過誤訴訟の特徴

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添付文書違反と医師の過失

2014.08.14
医療の現場で使用される医薬品には、製造業者等が作成した「添付文書」が添付されています。
添付文書には、当該医薬品の用法・用量、効能・効果、使用上の注意(副作用、投与禁忌とされる場合等)など、医薬品を使用するにあたっての基本的な情報が記載されています。

添付文書の定める用法・用量とは異なる使用をした場合や、投与禁忌とされている患者に投与した場合など、添付文書に従わない診療行為があった場合の医師の過失の有無について、裁判所が法的判断を示したものとして、「ペルカミンS事件」という有名な最高裁判例があります(最高裁平成8年1月23日第三小法廷判決)。
この事件では、虫垂切除手術中に起こった心停止等により脳に重大な損傷を被ったことについて、医師が「ペルカミンS」という腰椎麻酔剤を使用するにあたり、添付文書では麻酔剤注入後10~15分が経過するまでは2分間隔で血圧を測定すべきとの注意書きがなされていたのに、5分間隔での測定を指示したという点が、過失にあたるか否かが問題となりました。
これに関し、最高裁判所は、「医薬品の添付文書(能書)の記載事項は、当該医薬品の危険性(副作用等)につき最も高度な情報を有している製造業者又は輸入販売業者が、投与を受ける患者の安全を確保するために、これを使用する医師等に対して必要な情報を提供する目的で記載するものであるから、医師が医薬品を使用するに当たって右文書に記載された使用上の注意事項に従わず、それによって医療事故が発生した場合には、これに従わなかったことにつき特段の合理的理由がない限り、当該医師の過失が推定されるものというべきである」という考え方を示し、本件では医師は医療水準に基づいた注意義務を尽くしたとはいえないと判断しました。

この最高裁判例が示した考え方に基づき、現在の医療訴訟では、①医師が医薬品の添付文書の記載に従わず、②これにより医療事故(添付文書の記載が防ごうとした事態)が発生した場合、③添付文書に従わなかったことにつき特段の合理的理由がない限り、医師の過失があるものと評価されています。


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