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医療判例紹介-医薬品の添付文書と医師の注意義務

2013.05.16

【最高裁平成8年1月23日第三小法廷判決】

(事案)
虫垂切除手術中に起こった心停止等により脳に重大な損傷を被ったことについて、麻酔剤使用にあたり添付文書(能書)に従わなかった医師の過失の有無が問題となった。

(判旨)
「医薬品の添付文書(能書)の記載事項は、当該医薬品の危険性(副作用等)につき最も高度な情報を有している製造業者又は輸入販売業者が、投与を受ける患者の安全を確保するために、これを使用する医師等に対して必要な情報を提供する目的で記載するものであるから、医師が医薬品を使用するに当たって右文書に記載された使用上の注意事項に従わず、それによって医療事故が発生した場合には、これに従わなかったことにつき特段の合理的理由がない限り、当該医師の過失が推定されるものというべきである。」



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