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医療過誤への対応(被害発生から解決まで)

医療過誤

医療過誤への対応(被害発生から解決まで)

トピックス

医療訴訟における「調査」の重要性

2014.08.08
医療ミスを受けた患者や遺族から相談を受けた弁護士が、まず第一に行うことは、事案の調査です。
医学の分野は奥が深く、ましてや弁護士は医師ではありませんので、たとえ
医療訴訟を多く扱う弁護士であっても、相談者の話を聞いた限りでは病院の責任の存否を判断できないのが通常です。
また、「医療の密室性」という言葉で表現されるように、医療は手術室内や病室内という外部からは認識しにくい場で行われますので、実際に何があったのかが分かりにくく、相談者の断片的な話を聞いただけでは事実関係がはっきりしないこともあります。
そのため、病院の責任を追及していくためには、まずもって徹底した調査を行い、事実関係の把握と、責任追及の可否を十分に検討することが必要となります。

調査の過程では、病院が保管するカルテ(診療録)の写しを入手し、詳細な診療経過を把握していきます。治療期間が長かったり、入退院を繰り返しているような場合には、カルテの量が段ボール数箱分に及ぶこともありますが、たった一行の記述が非常に重要なポイントとなることもありますので、丹念に読み込んでいくことが必要です。
カルテに目を通したら、そこに書かれた経過をまとめていく作業を行いますが、闇雲にまとめても事案を適切に把握できないので、カルテ内のどの情報が重要なのかを見極めるスキルが要求されます。
また、調査においては、関係する医学文献を入手して検討し、事案に照らし合わせて、医学的な観点から診療行為の当否を探ります。一方で、同種事例の裁判例を収集し、法的観点からも責任追及の可能性を検討していきます。医学的判断と法的判断は必ずしも一致するものではなく、医学的には適切でないと思われても、法的責任までは追及できないような場合もありますので、必ず両方の側面から検討を加えます。
さらに、事案によっては、第三者的な立場でアドバイスをいただける医師(協力医)と面会し、医学的見地からの専門的意見を求める場合もあります。ただし、前述のとおり医学的判断と法的判断は異なることから、協力医の意見をそのまま鵜呑みにするのではなく、あくまで他の調査結果とあわせて総合的に考えていくことになります。

このような十分な調査を踏まえ、事実関係を把握し、病院の責任を追及できるか否かを検討し、その結果を依頼者に報告します。
ときには、調査の結果、「病院の責任を追及することは困難である」という結論に至る場合もあります。その場合、患者側弁護士は、患者や遺族に対し、責任追及が困難であるという結論と、その結論に至った具体的理由を説明します。医療は万能ではなく、医師が手を尽くしても結果が避けられなかった場合も当然あり得ます。その一方で、医学の知識に乏しい患者や遺族が疑念を持つのも無理はなく、調査依頼を受けた弁護士としては、無責の場合であっても、患者や遺族が納得を得られるよう、十分な調査を尽くした上で報告を行います。

一体何があったのか、どうしてそうなったのかを知りたい。病院側に落ち度があるのであれば償ってもらいたい。二度と同じ被害が発生しないようにしてほしい。患者や遺族が法律事務所を訪れる理由はさまざまです。その思いを実現する第一歩となるのが、徹底した事案の調査であり、患者側弁護士にとっては重要な局面の一つです。


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