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次世代へのバトン

2014.10.02/【堀田 伸吾】
本日は、日本弁護士連合会第57回人権擁護大会in函館・シンポジウム第1分科会「北の大地から考える、放射能汚染のない未来へ」に参加しました。

原発事故と司法の責任、核燃料サイクル・高レベル放射性廃棄物の問題、原発立地地域の再生などについて、さまざまな専門家からの報告を交えた6時間半に及ぶシンポジウムは、熱気に包まれていました。

福島原発事故が発生する以前、全国各地では、いわゆる原発訴訟(設置許可取消、運転差止等)が繰り広げられてきました。しかしながら、裁判所は、専門性のある事柄であることを理由に実質的な判断を回避し、ほぼ全ての訴訟が原告側敗訴で終わり、結果として司法は政府の原発推進政策を追認してきたのでした。

そのような中で発生した、福島原発事故。
事故後には「司法にも罪がある」という市民の声があがりました。

過去に住民らの請求を棄却したある裁判官は、「福島の事故を見た後の原発訴訟では、これまで想定しにくかったこと、あるいは想定したくなかったことまで考えざるをえなくなるだろう」と述べました。

そして、本年5月、大飯原発の運転差止めを命ずる福井地裁判決が出されました。
同判決には次のような一節があります。

「・・・コストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが、国富の喪失であると当裁判所は考えている。」

日本という国を、どのようなかたちで次世代に引き継いでいくべきか。私達の世代が真剣に考えなければならないことを、あらためて実感させられるシンポジウムでした。

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