【解決事例】血管造影検査後の肺塞栓による死亡事故(外科)
2016.11.28
Aさんは、腎臓の腫瘍を疑われ、B病院において、鼠径部からカテーテルを入れて血管造影検査を受けた。検査自体は問題なく終了し、止血のために大腿部に砂嚢を置いていたが、検査翌日の朝に安静を解除してトイレに立ったところ突然意識を喪失してそのまま死亡してしまった。原因は、下肢静脈に発生した血栓が安静解除によって上行し肺動脈を塞栓したことによる肺塞栓であった。Bさんの遺族は、砂嚢を長時間大腿部に置いたことにより血栓が発生したもので、止血の方法として不適当であったことを理由として、B病院を提訴した。
裁判所は、短時間で適切な止血をすべきであったとして過失を認め、全面的に責任を認める判決を下した。