年金と逸失利益
2013.07.10
交通事故で死亡した場合、生きていたならば将来得られたであろう収入が「逸失利益」として損害額に含まれます。有職者の場合には、現実の年収、あと何年働くことができたかなどを基準に逸失利益を計算します。この逸失利益には、高齢者などの年給収入は含まれるのでしょうか。この点については、年金の種類により扱いが分かれています。
たとえば、国民年金(老齢年金)や障害年金は、受給権者のみならずその者の収入に生計を依存している家族との関係でも生活保障としての意味があることから、逸失利益性を肯定するのが実務の流れです(最高裁平成5年9月21日判決、最高裁平成11年10月22日判決)。
これに対し、遺族厚生年金は、専ら受給権者自身の生計の維持を目的とした給付であるなどの理由から、逸失利益性が否定されています(最高裁平成12年11月14日判決)。
交通事故に関するご相談は、新潟みなと法律事務所にお任せください。(初回相談無料)
⇒お問い合わせ・ご相談の予約はこちら