自己破産に関する誤解①-破産すると全ての財産を失う?
Q.
生活苦で借金がかさみ、返済がどうにもならずに自己破産を考えています。自己破産するには資産を処分する必要があると聞きましたが、身の回りの財産を全て失うことになるのでしょうか。
A.
自己破産で処分が必要となる財産は限られており、一定の財産や生活必需品は、破産しても手元に残すことができます。
自己破産とは、財産をなげうって負債の返済にあて、それでも残る借金について、「免責(支払義務の免除)」を受ける制度です。
よって、破産することにより財産を失うことは避けられません。
財産があるのにそれを隠して破産しようとすれば、場合によっては免責が受けられないこともありますし、詐欺破産罪として刑事処罰の対象にもなります。
もっとも、破産によって全ての財産を失うかというと、そうではありません。
身の回りのあらゆる財産を失い、手元に何も残らないのでは、破産者が再スタートを切ることがとても難しくなってしまいます。
そこで、破産手続においては、一定の範囲の財産を処分せずに手元に残すことが認められています。これを「自由財産」といいます。
たとえば、現金であれば99万円までは自由財産として保持することが認められます。
また、生活に必要な家具、電化製品、衣類なども、ほとんどは自由財産として手元に残すことが可能です。
さらに、預貯金や、返戻金のある生命保険、自動車などについても、破産手続の中で「生活のために必要なので自由財産に含めて欲しい」という申立て(自由財産拡張の申立て)をすることで、裁判所の判断によって破産者の手元に残すことが認められる場合があります。
破産手続には、財産を清算するだけでなく、破産者の経済的更生を図る目的もあるため、このような制度が認められているのです。
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