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保険のしくみ(自賠責保険など)

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自賠責保険の意義 ~最低限の補償~

2013.10.29
1 自賠責保険制度の存在理由

自動車事故の加害者には、被害者に生じた損害を賠償する法律上の責任があります。その賠償額は、例えば死亡事故の場合などは数千万円にも達します。
しかし、加害者の中には、財産がない、収入がない(あるいは少ない)、そして自動車保険にも加入していないために、賠償金を支払う能力がない方も大勢います。このような場合、何の制度もなければ、被害者は十分な賠償金を受けられず、泣き寝入りを強いられることになるでしょう。しかし、そのようなことは決してあってはならないことです。
また、事故の被害者にも大きな落ち度がある場合があります。たとえば、横断歩道を渡る際、うっかり赤信号を見落として横断を始めたところ、車と衝突したような場合です。この場合には、「過失相殺」という理由で賠償責任の額が大幅に減額されます。しかし、それでも被害者は、治療費を支払わなければなりませんし、仕事を休めば収入が激減しますし、もしも後遺症が残れば生涯にわたって障害を背負って生きていかなければなりません。さらに、死亡事故で、被害者が一家の大黒柱だったとすれば、残された家族はどのように生活をしてゆけばよいのでしょうか。たとえ被害者側に大きな落ち度があっても、最低限の補償を受けられるようにする必要があるのではないでしょうか。
そこで、我が国では、自賠責保険制度が整備されました。日本の道を走る自動車は必ず自賠責保険に加入しなければなりません(強制加入)。ナンバーを取得したり、車検を通したりするには自賠責保険に加入することが義務づけられています。
自賠責保険は、事故の加害者の資力にかかわらず、また、たとえ被害者側に大きな落ち度があったとしても、最低限の補償を受けられるような仕組みになっています。

2 自賠責保険は「最低限の補償」

もっとも、この「最低限の補償」という趣旨からお分かりのとおり、自賠責保険では、支払われる保険金の額が相当低く抑えられています。例えば、被害者にどれほど大きな損害が生じていても、傷害に関する損害については120万円まで、後遺症に関する損害についてはその程度(等級)に応じて75万円から4000万円まで、死亡に関する損害については3000万円までしか支払われません。また、この支払限度額の範囲内であっても、自賠責保険ではそもそも支払保険金を計算する際の基準額がかなり低く抑えられているため(例えば通院慰謝料は原則「実通院日数×4200円」しか支払われない)、自賠責保険の基準で計算した保険金の額は、実際に加害者に対して法律上請求できる損害賠償金の額よりも相当低くなってしまうのが通常です。

3 任意保険会社が「自賠責保険の基準」で示談?

任意保険会社の中には、被害者に対して、まずは自賠責保険の基準で計算した示談金を提示するところがあります。しかし、自賠責保険の基準で計算した保険金額は、被害者の泣き寝入りを防ぎ、また被害者側に大きな落ち度がある場合でも「最低限の補償」をするために国が定めた額に過ぎません。加害者に対して法律上請求できる損害賠償金の額は、自賠責保険の基準で計算した額を相当程度上回る場合がほとんどです。
保険会社から示談金の提示があった後、弁護士にご相談いただければ、あなたが加害者に対して法律上請求可能と考えられるおおよその損害賠償額を計算できます。もし、その額が自賠責保険の基準で計算した「最低限の補償」額を上回っていれば、当然、保険会社に対して差額の支払いを求めてゆきます。
自賠責保険が「最低限の補償」であることはあまり広くは知られていません。そのため、保険会社は、自賠責保険の基準があたかも決められた賠償額であるかのように示して示談を求めてくるのです。
保険会社から示談金の提示があり、その額が、自賠責保険の基準で計算されている場合には、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。

(関連トピックス)
自賠責保険の支払基準
自賠責保険と被害者の過失
自賠責保険の請求方法
仮渡金と内払金



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