仮渡金と内払金
保険金の本請求は、治療が完了し、事故による全損害が確定した段階でなければ行うことができません。
しかしそれでは当面の治療費や生活費にも困ってしまう場合があります。このような場合に備え、自賠責保険では、治療が完了する前であっても、保険金の先払いを受けられる仕組みが用意されています。それが「仮渡金制度」と「内払金制度」です。
1 仮渡金制度
これは、交通事故の被害に遭われた方が、当面の治療費や生活費にも困るような場合に、事故証明と医師の診断書等を提出するだけですみやかに一時金の支払いを受けられる制度です。
仮渡金の額は、法律で次のように定められています。
①死亡した者 290万円
②次の傷害を受けた者 40万円
イ 脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状を有するもの
ロ 上腕または前腕の骨折で合併症を有するもの
ハ 大腿または下腿の骨折
ニ 内臓の破裂で腹膜炎を併発したもの
ホ 14日以上の入院を要する傷害で、医師の治療を要する期間が30日以上のもの
③次の傷害を受けた者 20万円
イ 脊柱の骨折
ロ 上腕または前腕の骨折
ハ 内臓の破裂
ニ 入院を要する傷害で、医師の治療を要する機関が30日以上のもの
ホ 14日以上の入院を要する傷害
④11日以上医師の治療を要する傷害を受けた者 5万円
2 内払金制度
傷害事故で被害に遭われた方が治療を長期間継続しているため、総損害額がなかなか確定しない場合であっても、既に発生した損害額が10万円以上あることが確認された場合には、保険金の一部先払いを請求することができます。これが内払金制度です。
治療が長引く場合には、仮渡金制度、内払金制度を活用して、より早く生活を立て直すことも考えられます。詳しいことは、弁護士にご相談ください。
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